漢詩紹介

CD④収録 吟者:松尾佳恵
2016年8月掲載

読み方

  • 嵐山に遊ぶ<頼山陽>
  • 清溪一曲 水迢迢
  • 水を夾むの櫻花 影も亦嬌なり
  • 桂揖誰が家の 貴公子ぞ
  • 落紅深き處 坐して簫を吹く
  • らんざんにあそぶ<らいさんよう>
  • せいけいいっきょく みずちょうちょう
  • みずをはさむのおうか かげもまたきょうなり
  • けいしゅうたがいえの きこうしぞ
  • らくこうふかきところ ざしてしょうをふく

字解

  • 清 溪
    清らかな谷川の流れ
  • 迢 迢
    遙かなさま(遠いさま)
  • なまめかしい 美しい
  • 桂 揖
    桂の木で作った揖(かい 美しい揖)
  • 落 紅
    散り落ちる花

意解

 嵐山のすぐ下の清らかな川の水が一曲りして遙か遠くへ流れてゆく。この川を夾(はさ)んで桜の花が咲いているがその姿がとてもなまめかしく美しい。
 立派な舟で舟遊びをしているのは、どこの家の貴公子であろうか。桜の花びらの散りくる中、舟に坐って笛を吹いている。

備考

 この詩の構造は、平起こり七言絶句の形であって、下平声二蕭(しょう)韻の迢、嬌、簫、の字が使われている。転句は挟み平になっている。

結句 転句 承句 起句

作者略伝

頼 山陽 1780-1832

 名は襄(のぼる)、字は子成(しせい)、号は山陽。安永9年12月大坂江戸堀に生まれた。父春水は安芸藩の儒者。7歳叔父杏坪について書を読み、18歳江戸に遊学した。21歳京都に走り脱藩の罪により幽閉される。のち各地を遊歴し、天保3年9月病のため没す。年53。
著書に「日本外史」「日本政記」「日本楽府(がふ)」等がある。