6149 再読文字について

  • 投稿者:
    吟暦13年生
  • 地区:
    和歌山県
  • 支部:

テキストB−1。15頁に記載されている、再読文字以外にありますか?
 38頁 況「 いわんやーーをや] と、読むとあります。
漢詩の部分には、一、二、の表示もありません 。

投稿日時: 2011/05/20 09:58:58

No.6153 Re:再読文字について

  • 投稿者:
    森口雪孝
  • 地区:
    大阪府
  • 支部:
    HP委員

教本《Bその1》のB2-3(淀川)の解説【参考】に、このように記載しています。
「再読文字」漢詩には一字で副詞と助動詞や動詞との二つの意味を併せもっているものがある。まず副詞的に読み、次に返り点に従って返り、助動詞や動詞にあたる意味として読む。
【將】 將歸海:將(マサ)に海に帰らんとスル
【未】 未覺:未(イマ)だ覺めズ
【當】 當勉励:當(マサ)に勉励スベシ
【須】 須擇中庸去:須(スベ)からく中庸を擇び去るベシ
【應】 應有意:應(マサ)に意有るベシ
【且】 且飮之:且(マサ)に之を飮まんとス
【宜】 宜斷之:宜(ヨロ)しく之を斷つベシ
【猶】 過猶不及:過ぎたるは猶(ナオ)及ばざるがゴトシ
【盍】 盍反其本:盍(ナン)ぞ其の本に反らザル
と記載しております。
この他にも
【況】 況復千餘里外投:況(イワン)や復千餘里外に投ずるオヤ
【方】 方(マサ)に・・・・スベシ
など、これ以外にもありますが、よく出てくる「再読文字」はこれくらいです。
「再読文字」というのは「いったん読んだ後、もう一度返って読む字」のことで、返り点に関係なく、まず副詞として読み。その後返り点に従って下から戻って動詞・助動詞として読みます。
「もう一度読む」再読文字というのは日本人の感覚です。実際に漢文で書いていた漢人は再読文字と認識していたわけではなく、「未」という字がくれば自然に「ああ、否定なんだな」と思うだけです。
日本語でも、「いいえ、けっして」といえば最後まで言わなくても「ああ、否定なんだな」とわかるように、彼らは「未」や「須」を再読するわけではなくそういった意味をもつ字として順番に読んでいるだけで、それを無理に日本語で読むために「再読」しているわけです。(HP委員)

投稿日時: 2011/05/21 10:05:57