7715 教本B6-3、九月十五夜(菅原道真作)の詩文の読み方について

  • 投稿者:
    鈴木芦泉
  • 地区:
    神奈川県
  • 支部:
    東京芦孝会

表題の七言律詩の詩文の読み方ですが、疑問があります。教本の読み方は、
 黄萎(おうい)の顔色 白霜の頭
 況(いわん)や復千餘里外に 投ずるおや
 昔は榮華 簪組(しんそ)に縛せられ
 今は 貶謫(へんたく)艸莱(そうらい)の囚と為る
 月光は鏡に似て 罪を明らかにする無く
 風氣は刀の如くにして 愁いを破らず
 見るに随い聞くに随うて 皆惨慄(さんりつ)
 此の秋は 獨り我が身の秋と作る
となっています。が、疑問な点が3ケ所あります。
1.首聯二句目の「投ずるをや」;ここは意解にもあるように「投ぜられた」のですから、「投ぜらるるをや」とかいう表現のほうが適切ではないでしょうか?
2ー1.頚聯の『月光は鏡に「似て」』;ここは、「月光は(真実を見抜くと言われる)鏡に似てはいるものの、明らかにしてくれない。」と詠んでいますので「月光は鏡に似たるも」とかするほうが、意味が通じ易いのでは?と思うのですが。
2-3.また、同じく頚聯の対句の「風氣は刀の如くにして」;ここも「風氣は(不善を断ち切るという)刀に似てはいるものの、切り破ってくれない。」としていますので、「風氣は刀のごとくなるも」とする方が、原文に忠実な読み方となるのではないでしょうか?
というか、吟じていて、違和感を感ぜざるを得ない状況でして、生憎、詳解も見たのですが、これらについては、触れられていませんでした。が、ネット等で調べるとこちらの読み方の方が多いようでしたので、お聞きする次第です。

投稿日時: 2018/06/26 11:43:11

No.7717 Re:教本B6-3、九月十五夜(菅原道真作)の詩文の読み方について

  • 投稿者:
    森口雪孝
  • 地区:
    大阪府
  • 支部:
    教本作成部

総本部では、指導局において新教本「A其の1」から「A其の4」まで4句詩編200題が完了し、現在新教本6・.8句詩編(B号)の制作に着手しております。ご指摘の課題等につきましても見直し予定です。B号の発行時期は未定ですが、もうしばらくご猶予下さい。(指導局教本作成部:森口雪孝)
なお、過去にも掲示板アラカルトに同様の書き込みがありますので、参考にご覧ください。
2.教本・作詩に関する質問等
(4)教本の読み下しの疑問についてQ338(2004.7.17) A410 (2004.12.29)
(5)教本の読み下しの疑問関連  Q413 (2005.1.11) 
(6)教本の読み下しの疑問関連  Q450(2005.3.18) A451(2005.3.19)

投稿日時: 2018/06/27 23:48:26

No.7719 Re:教本B6-3、九月十五夜(菅原道真作)の詩文の読み方について

  • 投稿者:
    鈴木芦泉
  • 地区:
    神奈川県
  • 支部:
    東京芦孝会

森口先生 ご教示ありがとうございます。「掲示板アラカルト」の関連記事の投稿と先生のご回答も読ませていただきました。
 この「掲示板」は2003年開始されたのでしょうか?以降15年の今日現在で7718号投稿されたこととなり、活発な運営となっていますこと、改めて驚きです。まさに、「Q&A情報の宝庫」ですね、さらには、その中から「掲示板アラカルト」として、大きく4分類いただき分類提示していただいており、これらも貴重で見やすくなっていますね。
 私なりに集計してみたところ、アラカルトに掲載された投稿数並びに回答数は総計で369件と全投稿数の5%をカバーしていることとなりますね。アラカルトの「1.吟詠に関する質問等」ならびに「2.教本・作詩に関する質問等」は(投稿数は各58件、投稿者数は1.2それぞれ40名毎程度=一人で2件以上投稿があり)ですが、「吟詠の基本」「漢詩・和歌等についての構成、テキストへの解釈・読み等の疑問等々」含まれており、理解が深まります。私は、これらを題材として、自分で使える「詩吟独習用教材」を編集してみたいと思い早速、データをエクセルに書き写しました。自分なりに更なる分類を試みてまとめてみたいと思っております。ありがとうございます。

投稿日時: 2018/06/29 21:05:27