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吟者:池田菖黎
2011年1月掲載[吟法改定再録]
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漢 江
<杜 牧>
かんこう
<とぼく>
溶溶漾漾として白鴎飛び
ようよう ようようとして はくおうとび
此トく春深くして好く衣を染む
みどりきよく はるふかくして よくころもをそむ
南去北來人自ずから老い
なんきょ ほくらい ひとおのずからおい
夕陽長く送る釣船の歸るを
せきよう ながくおくる ちょうせんのかえるを
漢 江
川の名 中国陝西(せんせい)省寧羌(ねいきょう)県に発し湖北省の漢口で揚子江に注ぐ
溶 溶
水のさかんに流れるさま
漾 漾
水の波立ち動くさま
白 鴎
白いかもめ
香@淨
緑色の水が美しくすみきっていること
漢江の水はさかんに波立ち流れて、その上を白い鴎が飛んでいる。春景色もようやく深まり、 美しい緑色の流れは、衣を染めたいくらいである。しかし世の人は、この好景にも、南へ北へと忙しく往来して、 心のゆとりもなく老いてゆくようであり、一層の悲痛を感じるのである。ふと見ると西に傾いた太陽は、その影長く 釣りから帰って来る船を送っている。
この詩の構造は平起こり七言絶句の形であって、上平声五微の韻の飛、衣、歸の字が使われている。
結
句
転
句
承
句
起
句
杜 牧
803−852
晩唐の詩人、字は牧之(ぼくし)、号は樊川(はんせん)、京兆万年(陝西省長安県)の人。 名家の出身にして828年進士に及第後、地方、中央の官を歴任し中書舎人となって没す。年五十。資性剛直、容姿美しく歌舞を好み、 青楼に浮名を流したこともあった。樊川文集二十巻、樊川詩集七巻あり、阿房宮賦(あぼうきゅうふ)は早年の作にして文名を高めた。
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