漢詩の作り方

五言絶句編

15.五言絶句[ごごんぜっく]

次に五言絶句の平仄法の配列法を示します。
五言絶句は七言絶句の上の二字を除き、起句を「踏み落し」にしたものであります。「踏み落し」とは、七言絶句の第五字を平字にし、第七字を仄字●にして韻を踏まないことであります。
平起式七言絶句の上の二字を除くと、仄起式の五言絶句となり、仄起式七言絶句の上の二字を除くと、平起式の五言絶句となります。

上記の五言絶句の平仄で、「二四不同」は七言絶句と同じであり、「一三五不論」は「一三不論」となります。また、七言絶句の四字目が一字「孤平」となって、仄字に挟まれることを禁じていますが、五言絶句の場合は二字目が孤平になることが禁じられています。
では七言絶句と同じ要領で、詩語集によって五言絶句を作ってみましょう。
詩語集により「秋夜対月」という題の詩を作ってみましょう。韻は「庚韻」ときめます。太刀掛重男著『誰にもできる漢詩の作り方』の80、81ページから仄字(●●)の二字、韻の三字(●○●)を選びます。起句「一碧暮雲散」ができました。承句は平字の二字、庚韻の三字を結びますと「遥天過雁声」となります。同じ要領で転句は「良宵山月出」、結句は「不耐故園情」とします。意味が成りたつか確認して、仄起式五言絶句ができあがります。

「だれにもできる漢詩の作り方」80・81ページ

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「だれにもできる漢詩の作り方」75ページ

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