漢詩の作り方

律詩・古詩等編

16.七言律詩[しちごんりっし]

絶句は起承転結の四句でできていますが、律詩は一つの詩が八句でできております。一・二句を起聯といい、三・四句を頷聯(がんれん)、五・六句を頸聯(けいれん)、七・八句を結聯といいます。一句七字の詩を七言律詩といい、第一句の二字目が平字の場合、平起式七言律詩といい、二字目が仄字の場合、仄起式七言律詩ということは絶句の場合と同じです。
律詩も絶句と同じように、二四不同・二六同・四字目の孤平不可・下三連不可の規則が適用されます。押韻は第一句と偶数句(二・四・六・八句)に踏むことが必要です。七言律詩の平仄法を示しますので参考にしてください。

絶句との大きな違いは、頷聯(三・四句)と頸聯(五・六句)を対句にすることです。対句とは原則として、相対する二つの句の字数、品詩、色、数字等を同じように配置することです。(ただし対句にも色々な種類がある。)
律詩から頷聯、頸聯の四句を除くと絶句となります。つまり絶句の前後二句の間に、対句を二組入れたものと解釈してもよいと思います。

17.五言律詩[ごごんりっし]

一句五字、八句でできている詩を五言律詩といいます。各規則は七言律詩と同じでありますが、五言律詩の場合第一句は韻を踏まなくてもよい。五言律詩の平仄法を示します。

18.古詩[こし]

古詩についても、七言古詩と五言古詩があります。古詩は近体詩のように平仄の配置は問わず、原則として自由であります。古詩においては、句数は自由でありますが、偶数であればよい。(例えば二十句・二十四句とか)韻は必ず偶数句(二・四・六等)にて押韻することが必要です。韻は四句ごとに韻を変える(換韻)か、例えば二十句でも同じ韻を踏む一韻到底格があります。

19.終りに

以上、漢詩の作り方について簡単に述べて参りましたが、漢詩は誰にでも作ることができます。詩語集により、平仄合せのパズルのようですが、次第に慣れてくれば、自分の思いで作ることができ、辞書を利用すれば詩語も増えて参ります。上達のためには多作、多読、多推敲(三多)につとめましょう。

制作:関西吟詩文化協会 能田 岳泉